しげミンの防犯対策インタビュー

第7回:海外におけるセキュリティ事情について

自分の強みで勝負するデンマーク・マイルストーン社

司会のしげミン

しげミン エリックさんはデンマーク大使館で、デンマークの企業を支援しているとの事ですが、デンマークのセキュリティ関連企業についてお話いただけますか

エリック科学技術参事官 セキュリティの分野では、デンマークにはFシリーズの戦闘機に使用された技術や、監視カメラシステムはもちろん、逆に外から見えないカメラシステム(超小型ビデオ録画・モニター管理)を作っている会社もあります。セキュリティの分野では、デンマークは決して弱くないです。
その中で、1998年に設立されたマイルストーン社は、当初は、株取引の投資家が使う情報を衛星通信で提供するシステムを開発していました。そのリアルタイムでデジタル情報通信ができるシステムを監視カメラの分野に応用したことで、今のマイルストーン社になりました。現在、従業員は約450名。1998年の設立から現在まで、年次平均39%の成長率で伸びています。

櫻井 驚異的ですね。

エリック科学技術参事官 コペンハーゲンに本社があり、支社は世界13カ国にあります。中でもアメリカの割合は非常に大きいです。マイルストーン社がライバル会社と比べた時の違いとして、非常に大事なのは、「オープンプラットホーム」を揚げていることですね。
「オープンプラットホーム」とは、マイルストーン社がプラットホームになって、サードパーティとのシステム連携が行いやすくなっているんです。監視カメラシステムだけでなく、入退室管理システムやビル管理システム…、照明関係や空調関係等とトータルにコントロールできるようになっています。これからは、すべてを情報交換できなければ、効率が生まれて来ない。そういう意味で、オープンプラットホームの専門会社と言ってもよいでしょう。
マイルストーン社の戦略は、自分の強みの分野しか、やらない、ということです。その分野が、監視カメラの管理ソフトをつくること。監視カメラメーカーを含めたハードのメーカーは、マイルストーンのパートナー企業になっています。マイルストーンが対応しているハードの種類は、カメラだけではなく、レコーダーや入出力対応ポート、ストレージやサーバーなど、1800種類を越えていますから、パートナー企業数は500社を越えています。自分だけではやりきれない、ということがおわかりいただけると思います。その結果、ワールドワイドでのエンドユーザー数は、現在10万社以上になっています。

しげミン マイルストーン社の日本でのビジネス展開は、どのようになっていますか。

エリック科学技術参事官 マイルストーン社は、どうしてもパートナー企業が必要です。つまり、ディストリビューターとディストリビューターの下にいるシステムインテグレーターさんが必要になります。日本では、「マイルストーンジャパン」が窓口になり、ディストリビューターのサポートすることをミッションとしています。

櫻井 日本は、マイルストーン社にとって魅力のあるマーケットなのでしょうか。

エリック科学技術参事官 一番の魅力は、大規模であること。一億2800万人の人口がありますし、日本の方々の要求されるクオリティが、機能面でもかなり厳しいので、それに耐えられれば、世界中にそのレベルで持っていけます。

櫻井 日本が試金石になっている、ということですね。

エリック科学技術参事官 日本の監視カメラシステムは、5年前まではほとんどがクライアントに合わせ、作っていました。そのため、コストと時間がかなりかかりました。マイルストーンはカスタマイズもできますが、基本的には、ワールドワイドのエンドユーザーの意見を聞き、200人のソフトエンジニアが新しいソフトを作り、「スタンダード」として売っていく方針です。スタンダードソフトと言っても、マイルストーン社の一番ハイエンドのソフトは、自由にカスタマイズできます。つまり、スタンダードソフトであることのコストと時間のメリットに加えて、カスタマイゼーションもできるということです。  最近の監視カメラシステムは、 IPカメラで撮影し、それが全部LANで繋がっているから、インフラが違いますよね。マイルストーン社は、いろんなことができるその仕組みを、次々に開発しています。

櫻井 ビジネス用語で「マイルストーン」とは、マネジメントしていく中での最終的なゴールではなく、途中の目標のことを指します。社名にはそういう意味合いもあるのでしょうか。

エリック科学技術参事官 ビジネスとしては、もちろんゴールは必要です。ゴールに達成するためには、いろいろなマイルストーンが必要です。ただ、ゴールも時代の流れで変化します。結局、永遠に前向きにやっていかなければならない、ということです。


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